
歯医者選びが難しいと悩んだことはありませんか。歯医者以外でも、病院探しに苦労しているという話は、意外と身近な人から聞く機会が多いです。なぜ、歯医者選びが難しいのか、それはホームページを見ても差が分からないこと、歯科医師やスタッフとの相性は足を運ばなければ分からないことも一因です。
なぜ歯医者選びは難しいのか?
歯医者を探す際、多くの人がどこに行けばよいのかわからないと悩むことは多いです。全国に歯科医院は6万軒以上あり、それはコンビニよりも多い数と言われています。ホームページに専門性や治療技術が書いてあって、それをしっかり見ても、他の医院との差が見えるわけではありません。また、実際に受診してみなければ、歯科医師やスタッフとの相性もつかめません。
治療へのこだわりや希望
また、ご自身の治療にこだわりや希望がある方もおられます。
- 痛くない治療を出来るところがいい
- 治療の説明をしっかり聞きたい
- できるだけ費用を抑えたい
このような希望は人それぞれであることから、歯医者選びを難しいと感じてしまうのです。
歯医者選びで失敗すると起こるリスク
歯医者を適当に選んでしまうと、医院によっては、過剰診療になったり、反対に根本改善できず再発してしまうなどの問題が生じます。
不必要な治療や過剰診療
本来必要のない処置を行うと、患者さんにとっては通院にかけた時間や余計な診療費がかかります。それらを無駄にする可能性があります。
再発や長引く治療
虫歯や歯周病の根本原因が改善できなければ、治療は長引きます。何度も通院が必要になることがあります。
心理的な不安や不信感
治療に関する説明不足や、処置に対する不安を伝えても特に何も対策してくれなければ、とても不親切な対応と言えます。治療そのものが患者さんの状態に合っていても、不安を感じさせてしまいます。
歯の健康はお口だけではなく精神面や全身の健康にも直結するため、歯医者選びを間違えると将来的にリスクを抱えることになるのです。
良い歯医者を見極めるためのチェックポイント
信頼できる歯医者を選ぶためには、治療前の説明、感染対策などのポイントを確認しておく必要があります。
治療前にしっかり説明してくれるか
治療の選択肢をいくつか出してくれるかということ、またその治療に関するメリットとデメリットをしっかりと丁寧に話してくれるかどうかという点がとても大切です。メリットのみではなく、デメリットやリスクも説明してくれるかどうかという点に注目しましょう。
感染対策を徹底しているか
手袋や器具の使い回しをしていないか、院内の衛生管理がきちんとしているかをチェックしましょう。直接歯科医院へ行き、確認をするのがベストです。
最新の技術や機器を導入しているか
デジタルレントゲンやマイクロスコープなど、精密な治療を可能にする最新設備を完備したクリニックであれば安心です。
予防に力を入れているか
ただ、トラブルが起きたところを治して終わりでなく、再発防止に努め、口腔ケアを重視していて、健康な状態のお口を保つための予防に力を入れているかも見極めのポイントです。
歯科医師の人柄や姿勢
観点 | ポイント | 患者さんへの影響 |
---|---|---|
人間性の重要性 | 歯科医師の人柄や姿勢が信頼関係の土台になる | 安心して治療に臨めれば不安が軽減される |
トラブルの原因 | 多くは技術よりも説明不足やコミュニケーション不足 | 不信感につながり、訴訟やクレームの火種になる |
事前説明の効果 | 治療後に起こる痛みや変化を事前に伝える | 説明通りと受け止めやすい |
説明不足のリスク | 後から説明されると言い訳に聞こえる | 同じ症状でも失敗されたと誤解されやすい |
注意すべき歯医者 | 常に慌ただしく初診からすぐに治療開始 | 信頼関係を築きにくく、トラブルにつながりやすい |
おすすめの見極め方 | 初診時に十分な時間をとってくれる | 丁寧なコミュニケーションを重視している医院のサイン |
歯科医療に関連する裁判や訴訟は少なくありません。その内容を見てみると、最も多いのは治療技術の問題ではなく、説明不足やコミュニケーション不足から生じる不信感が原因になったトラブルです。
コミュニケーション不足の例をご説明
治療前に「麻酔が切れた後には痛みが出る可能性があります」と十分に説明されていれば、患者さんは「先生が言っていた通り少し痛くなってきたな」と冷静に受け止めることができます。ところが、説明不足や不安を与える態度があると、同じ症状でも「麻酔が切れて激痛だ。先生は麻酔を失敗したのではないか」と不信につながってしまいます。
事前の説明があるかどうかで患者さんの受け止め方は大きく変わり、前もって伝えていれば説明ですが、後から言うと言い訳と捉えられます。
確かに何度も通院するのは手間であるため、早く治療を終えたいという気持ちは理解できますが、初めて受診する歯科医院でいきなり大きな治療に入るのはリスクがあります。初診では歯科医師の人柄や対応をじっくり見極める時間にすることが、後悔しない歯医者選びにつながります。特にカウンセリングなどでも長い時間を確保している医院は、丁寧なコミュニケーションを大切にし、信頼関係を築こうとする姿勢の表れだと考えられます。
口コミや評判の活用方法
インターネットの口コミは参考になりますが、盲目的に信じるのは危険です。口コミはあくまで補助的な情報源とし、最終的には自分の目で確かめることが大切です。
- ポジティブな意見とネガティブな意見の両方をチェックしておく
- 特定の一人の体験談ではなく、共通する意見を見つける
- 信頼できる口コミサイトの情報を見る
- 実際に周囲で通っている知人がいればその人の評判などを優先する
自分自身に合う情報とは限らないため、口コミは参考程度という認識は忘れないようにしましょう。
専門性や治療方針の確認方法
歯科と一口に言っても、治療分野は多岐にわたります。虫歯治療、歯列矯正、歯周病治療、インプラント、審美歯科など様々です。
自分の症状に合った専門性のある歯科医院かどうか
- 矯正なら矯正歯科の認定医がおり、矯正器具の取り扱いが多く、症例経験が豊富
- 歯周病なら歯周病の認定医がおり、症例を多く行っている
専門的な治療には、知識と豊富な症例経験が必要になることから、そのような知識や症例が多い医院を選ぶと安心です。
ホームページに痛みの少ない治療、なるべく歯を残す治療などの方針が明記されているかを確認しましょう。痛みをなるべく減らそうとしている歯科医院は、笑気麻酔や、セデーションの準備があることが多く、歯科恐怖症の方や、歯医者が苦手という方でも治療を受けやすいです。
セカンドオピニオンとは、ひとつの判断にとらわれず、複数の医師から意見を聞くことです。医師によって得意分野や経験値は違うため、別の医師に相談すれば異なる治療方針を提示されることも珍しくありません。一つの歯科医院としての意見を押すのみではなく、別の歯科医師の意見を聞ける状態は、より客観的に歯科医院を選択しやすいです。
通いやすさと費用面の重要性
どんなに技術が優れていても、遠方であったり、通いにくい歯医者は長続きしません。ご自身のライフスタイルにおいて、通いやすいアクセスの良さがあったり、長い診療時間であればとても重要なポイントです。
駅近であったり、駐車場の有無、通勤通学のルート上であったり、ご自宅の近辺にあるなどの通いやすさは意外と重要です。
仕事帰りや休日に通えるよう、夜の診療時間が設定されているかどうか、土日の診療もあれば、とても便利です。
保険診療と自費診療の違いについてしっかり説明してくれ、見積もりをきちんと提示してくれるかを確認しましょう。
無理なく通える環境であれば、治療の継続が出来やすく、歯の健康を保てて予防にもつながります。
まとめ

歯医者選びが難しいというのは、多くの方が悩むことかもしれません。説明の丁寧さや衛生管理が徹底されているか、専門性があり治療方針も信頼がおけるか、通いやすい立地にあり費用も明確であるか、これらをチェックしていけば、自分に合った信頼できる歯医者を見つけやすくなります。歯を健康に保つことはとても大事です。焦らず比較し、自分に最適な歯医者を選びましょう。