歯と口のトラブル

口内炎がよくできるのはなぜ?繰り返す原因と対策

口内炎がよくできるのはなぜ?繰り返す原因と対策

「またできてる…」「痛くて食べるのがつらい…」
そんなふうに、口の中にできた小さな傷「口内炎」に悩んでいませんか?

しばらくすれば自然に治ることも多いですが、繰り返しできたり、治るまでに時間がかかったりすると、日常生活にも影響が出てしまいます。

実は、口内炎はただの「できもの」ではなく、体や口の中からのSOSサインであることも。栄養不足、ストレス、免疫力の低下、さらには合わない被せ物や詰め物など、さまざまな原因が隠れていることがあります。

この記事では、「口内炎がよくできるのはなぜ?」という疑問にお答えしながら、原因ごとの特徴や歯科的な視点からの対処法をわかりやすく解説していきます。口内炎に悩む方にとって、少しでもヒントになる情報をお届けできれば幸いです。

繰り返す口内炎に悩んでいませんか?

口の中がしみる、話すのも食べるのもつらい…。そんな「口内炎」に悩まされている方は少なくありません。しかも、一度治っても何度も再発してしまうケースも多いです。

口内炎が繰り返しできる原因とその対処法を、歯科の立場からわかりやすく解説します。

「気がついたらまた口の中が痛い…」「前の口内炎が治ったと思ったら、今度は別の場所に…」
このように、口内炎を繰り返してしまう患者さんは少なくありません。単発でできる口内炎であれば、疲れているときやちょっとした刺激が原因の場合も多く、自然に治ることがほとんどです。

しかし、頻繁にできる口内炎には、何かしらの「繰り返す原因」が潜んでいる可能性があります。たとえば、栄養バランスの乱れやストレスの蓄積、免疫力の低下、あるいは合っていない被せ物・詰め物による刺激などです。さらに、口の中の清掃状態が悪い場合には、歯垢がたまりやすく、粘膜を刺激して炎症を引き起こすことも。

また、「いつも同じ場所にできる」「2週間以上治らない」「痛みが強くて食事ができない」といった症状がある場合は、早めに歯科医院での相談を検討することが大切です。

口内炎は一見小さなトラブルですが、体調や口腔環境のバロメーターでもあります。繰り返すことに悩んでいる方は、まずは自分の生活習慣や口の中の状態を見直すことから始めてみましょう。

口内炎がもたらす不快な影響とは?

不快な影響

たかが口内炎と思って放っておくと、日常生活に大きなストレスを感じることがあります。特に、痛みが強い場合は食事や会話、歯磨きもつらくなり、生活の質が低下してしまいます。

口内炎は痛みや不快感によって、日常生活に支障をきたすことがあります。

影響の例

食事がしみにくくなる → 熱いものや辛いもの、酸っぱいものが口内炎にしみることで、食欲が落ちることがあります。

会話がしづらくなる → 舌や頬にできた口内炎が話すたびに痛みを伴うこともあります。

歯磨きが苦痛になる → 痛みを避けて歯磨きが不十分になり、歯垢がたまりやすくなる悪循環も。

このように、口内炎は「小さな傷」でも、放置すると大きなストレスになります。繰り返すようなら原因を見直すことが大切です。

口内炎ができる主な原因とは?

主な原因

口内炎にはさまざまな原因があり、1つとは限りません。日常生活のちょっとしたことがきっかけになっている場合もあるため、原因を理解して対処することが大切です。

口内炎の原因は、生活習慣・ストレス・口腔環境などさまざまです。

よくある原因

物理的刺激

  • 誤って頬を噛んだ
  • 合わない被せ物や詰め物によるこすれ
  • 歯磨き時の過度な刺激

栄養不足

  • ビタミンB群(特にB2、B6)不足
  • 鉄分や亜鉛不足

免疫力の低下

  • 睡眠不足
  • ストレス過多
  • 風邪などの体調不良時

口腔内の衛生不良

  • 歯垢の蓄積
  • 歯磨き不足
  • 不正咬合による清掃不良部位の存在

ホルモンバランスの変化

  • 生理前後や妊娠中などの女性特有の体調変化時

これらの要素が複合的に関係し、口内炎を繰り返す要因になっているケースもあります。

口内炎を防ぐためにできること

口内炎を繰り返さないためには、生活習慣と口の中の環境の見直しがポイントです。自分でできる予防法を取り入れて、痛みのない快適な生活を目指しましょう。

口内炎を防ぐには、生活習慣と口内のケアが重要です。

予防のポイント

栄養バランスの良い食事を心がける → 特にビタミンB2や鉄分、亜鉛を意識して摂取しましょう。

十分な睡眠と休養をとる → 睡眠不足は免疫力低下を招きます。

ストレスを溜めない生活を意識する → 趣味や運動でリフレッシュする時間を持ちましょう。

丁寧な歯磨きで口内を清潔に保つ → 歯垢をためないように毎日丁寧なケアを。

合わない被せ物や詰め物は歯科医院で相談を → 口内を傷つけるリスクがあるため早めの対処を。

このような対策を日々積み重ねることで、口内炎を予防する土台がつくられます。

歯科でできるサポートもあります

自分では原因がわからない、何をしても改善しない…そんな場合は歯科医院での相談がおすすめです。適切な診断と治療により、根本的な改善につながることもあります。

口内炎が続く場合は、歯科での相談が早期改善につながります。

歯科で行えること

  • 不正咬合や合わない被せ物・詰め物の調整
  • 歯磨きの指導と歯垢除去
  • 市販薬では改善しない場合の薬の処方
  • 口腔内の清掃環境のチェック
  • 必要に応じて医科(内科・皮膚科)との連携

口内炎の原因が口腔内だけでない場合もあるため、医科との連携がカギになることもあります。

気になる症状は早めに相談を

「たかが口内炎」と思わず、繰り返したり長引いたりする場合は、早めに歯科医院へ相談しましょう。小さな不快感を軽視せず、快適な日常を守るための第一歩です。

口内炎が長引く場合は、歯科医院に相談しましょう。

口内炎は「自然に治るもの」と思い込み、つい放置してしまいがちですが、次のような症状がある場合は早めの受診をおすすめします。

2週間以上治らない
→ 通常の口内炎は1週間?10日程度で自然治癒します。長引く場合は他の疾患の可能性も考慮しましょう。

繰り返し同じ場所にできる
→ 癖や咬み合わせ、被せ物などによる物理的刺激が原因になっているかもしれません。

大きくて強い痛みがある
→ 会話や食事が困難になるほどの痛みは、治療が必要な状態かもしれません。

発熱やリンパの腫れを伴う
→ 感染性の炎症や全身疾患に関係している可能性もあります。

色や形がいびつな粘膜の異常がある
→ まれに、口腔がんや前がん病変の初期症状として現れることもあります。

このような症状がある場合、早期発見・早期治療のためにも、歯科医院での診察を受けることが大切です。特に、被せ物や詰め物、入れ歯などが合っていないことによる刺激が原因の場合は、調整をすることで再発を防げるケースもあります。

また、必要に応じて内科や皮膚科など他科と連携して診療を進めることもありますので、「どこに相談してよいか分からない」と迷ったときこそ、まずは歯科医院にご相談ください。

口の中のちょっとした違和感も、早めの対処が安心と健康への第一歩です。

まとめ

口内炎は、身体の不調や口の中の環境からのサインかもしれません。物理的刺激、栄養不足、ストレス、免疫力の低下、そして不適合な被せ物など、原因は多岐にわたります。日常生活を見直すことで防げることも多く、また、歯科医院での専門的なケアが根本的な改善につながることもあります。

「たかが口内炎」と我慢せず、つらいと感じたら早めに歯科医院へ。正しい知識と対策で、口内炎のない快適な毎日を目指しましょう。

この記事の監修者
医療法人真摯会 京橋クローバー歯科・矯正歯科
院長 小山 泰志

松本歯科大学歯学部 卒業。奈良県立医科大学附属病院 歯科口腔外科 入局。大阪の歯科医院にて歯科医師として勤務。クローバー歯科・矯正歯科あべの天王寺院にて勤務。

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