インプラント

インプラント治療に年齢制限はある?何歳までできるのか不安な方へ

インプラント治療に年齢制限はある?

「もう歳だから、インプラントは無理だと思っていたんです。」
これは、実際に歯科医院に訪れた患者さんからよく聞かれる言葉です。年齢を重ねて歯を失ってしまったとき、多くの方が「入れ歯しか選択肢がない」と感じがちですが、実はインプラント治療に明確な年齢制限はありません。

もちろん、誰でも必ず受けられるわけではありませんが、年齢よりも大切なのは、お口と体の健康状態。近年では、70代・80代の患者さんでもインプラントを受け、しっかり噛める喜びを実感しているケースも少なくありません。

この記事では、インプラント治療に年齢制限があるのかどうか、そしてどんな条件で高齢の方でも治療が可能なのかを、わかりやすく解説します。若い方も含め、「何歳までならできるの?」「私は受けられるの?」と不安な方は、ぜひ参考にしてください。

歯を失っても「もう年だから…」とあきらめていませんか?

シニア

「年齢的にインプラントは無理かも」と思い込んでいませんか?実は、インプラント治療に年齢の上限は基本的にありません。多くの高齢の患者さんが、適切な診断と治療によって、快適な生活を取り戻しています。

年齢だけを理由にインプラントをあきらめる必要はありません。

加齢による歯の喪失は多くの方が経験する悩みです。「入れ歯はどうも合わない」「もっとしっかり噛める方法がないか」と思っても、「この歳ではもうインプラントは無理だろう」とあきらめてしまう方も少なくありません。

しかし、実際には70代・80代でもインプラント治療を受けている患者さんは多く、年齢だけが治療可否を決める基準にはならないのです。

インプラント治療に年齢制限はある?

インプラント治療に明確な「年齢制限」は設けられていません。ただし、顎の成長が完了していない若年層は対象外となることが一般的です。

インプラント治療は基本的に年齢制限なし。若年層のみ注意が必要です。

厚生労働省や日本口腔インプラント学会でも、インプラントに関する年齢の上限は定められていません。つまり「何歳まで」といった制限はなく、健康状態や骨の状態が良ければ高齢でも治療が可能です。

ただし、顎の骨がまだ成長途中にある子どもや10代の方は、インプラントの適応外となることがあります。

インプラントに年齢制限がある理由

インプラント治療には公式な年齢の上限はありませんが、「年齢制限がある」と言われる背景には、成長段階の問題や高齢による身体の変化、治癒力の低下など、医学的なリスクが関係しています。

年齢制限の背景には、骨の成長や全身状態の問題が関係しています。

インプラント治療に明確な年齢の「上限」や「下限」は定められていませんが、あえて年齢が問題視される理由には、以下のような医学的背景があります。

若年層の場合:顎の骨がまだ成長途中であるため

成長期にインプラントを埋入してしまうと、その後の骨の発育によりインプラントの位置がズレる恐れがあります。将来的に歯並びや噛み合わせに影響を及ぼす可能性もあるため、一般的には顎の成長が完了してから(女性で16〜18歳前後、男性で18〜20歳前後)を目安に適応が判断されます。

高齢者の場合:全身疾患や骨の質の影響があるため

高齢になると、糖尿病や心疾患などの持病が増え、これらが手術や治癒に影響を及ぼすことがあります。また、骨密度の低下や歯周病の進行によって、インプラントの固定が難しくなる場合もあります。

このように、「年齢」そのものではなく、年齢に伴う成長段階や身体的変化が、インプラント治療の可否を左右しているのです。
したがって、インプラントの適応は年齢だけで判断せず、個々の身体の状態や生活状況を総合的に見て、歯科医師と慎重に相談しながら決めていくことが重要です。

高齢でもインプラントが可能な条件とは

高齢の患者さんでも、インプラント治療が可能な条件はいくつかあります。主に全身の健康状態と口腔環境がポイントです。

高齢でも、条件が整えばインプラント治療は可能です。

以下のような条件を満たしている場合、高齢の患者さんでもインプラント治療が検討できます。

全身の健康状態が安定している
糖尿病や心疾患があっても、コントロールされていれば治療可能な場合があります。

顎の骨量が十分にある
インプラントを支える骨がしっかりしていれば、問題ありません。

口腔衛生が保たれている
歯垢の管理ができており、歯周病のリスクが低いことが重要です。

日常生活の自立度が高い
手術後のセルフケアや定期的な健診に通えることが望ましいです。

これらの条件を確認し、必要に応じて前処置を行えば、高齢でも快適なインプラント生活を送ることができます。

若年層がインプラントに適さない理由もある

顎の成長が完了していない若年層は、インプラントを入れてしまうとその後の骨成長に悪影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。

若すぎると顎の成長が不十分なため、インプラントは避けることがあります。

15~18歳くらいまでの若年層では、顎の骨がまだ成長過程にあるため、インプラントを埋入してしまうと将来的に位置のズレが生じたり、歯並びに悪影響が出たりすることがあります。
このため、若年層の場合は成長が終了したことを確認した上で、治療を検討するのが一般的です。

年齢よりも大切なチェックポイント

年齢そのものよりも、体やお口の状態がインプラント治療の可否を左右します。診断で見るべきポイントは明確です。

治療の可否は年齢よりも健康状態や骨の状態に左右されます。

インプラントが可能かどうかは、以下の点が重要視されます。

口腔内の健康状態:歯周病があると、インプラント周囲炎を引き起こすリスクが高まります。

骨密度や骨量:インプラントを固定するには、ある程度の骨の厚みや高さが必要です。

持病の有無と管理状況:糖尿病や高血圧などの全身疾患が、術後の回復や感染リスクに影響します。

喫煙習慣の有無:タバコは治癒を妨げ、インプラントの成功率を下げる可能性があります。

これらのポイントは、年齢にかかわらず全ての患者さんに共通する大切な評価項目です。しっかりとした事前検査と医師との相談が、成功への鍵となります。

まずは検査とカウンセリングから始めましょう

インプラントを検討しているなら、まずは歯科医院での検査とカウンセリングを受けることが大切です。そこから始まるのが正しい治療の第一歩です。

最初のステップは検査と相談から。年齢にとらわれず行動しましょう。

「自分はインプラントができるのか?」と不安に感じる方は、CT撮影や口腔内検査、全身状態の問診などを受けることで、適応の有無が明確になります。
また、治療の流れや費用、手術の負担などを詳しく聞くことで、不安を解消することができます。

まとめ

年齢にとらわれず、しっかり相談して決めましょう

インプラント治療に年齢の上限はなく、高齢の患者さんでも多くの方が満足のいく結果を得ています。大切なのは年齢ではなく、口腔と全身の健康状態。まずはカウンセリングを受けて、自分に合った治療法を一緒に見つけていきましょう。

年齢に関係なく、まずは医師に相談してみることが第一歩です。

「もう年だから無理だろう」と思わずに、しっかりと検査を受けて、医師と一緒に治療の可能性を確認することが大切です。年齢だけを理由に治療の選択肢を狭めてしまうのは、非常にもったいないことです。

健康的な口元で、食事も会話も楽しめる生活をあきらめないでください。

この記事の監修者
医療法人真摯会 京橋クローバー歯科・矯正歯科
院長 小山 泰志

松本歯科大学歯学部 卒業。奈良県立医科大学附属病院 歯科口腔外科 入局。大阪の歯科医院にて歯科医師として勤務。クローバー歯科・矯正歯科あべの天王寺院にて勤務。

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